演目一覧 / 滑稽噺・前座噺
「寿限無」の一場面のイラスト

寿限無

じゅげむ

生まれた子に、長生きしそうな縁起のいい言葉を全部つけてしまった親。おかげで名前を呼ぶだけでひと苦労です。前座が最初に覚える噺の代表格で、子どもにもおなじみです。

分類
滑稽噺・前座噺
系統
江戸。上方では『長名の伜』
原話
元禄16年(1703)の噺本『軽口御前男』に似た話
上演時間
10分前後
季節
通年
カテゴリ滑稽噺前座噺長屋噺
登場人物長屋の夫婦お寺の和尚子ども
舞台長屋お寺
見どころ長い名前の言い立て

あらすじ

長屋の夫婦に男の子が生まれました。父親は「長生きする名前を」とお寺の和尚さんに相談に行きます。

和尚さんがお経や故事から縁起のいい言葉を次々に挙げると、父親はどれも捨てがたく、とうとう全部つなげて名前にしてしまいます。

子どもはすくすく育ちますが、名前があまりに長いので、呼ぶたびに大変です。ある日、近所の子が頭にこぶをこしらえて「お宅の子にぶたれた」と泣きながら言いつけに来ます。

母親が父親に、父親がまた本人に、そのたびに長い名前をはじめから終わりまで言うものだから……。

サゲ 結末を含みます

タップしてサゲを見る

「あんまり名前が長えから、こぶが引っ込んじまった」

名前を言い終えるまでの間に、こぶが治ってしまったというサゲです。演者によって細かい言い回しは違います。

名前の中身

寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末・雲来末・風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポ・パイポ・パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの、長久命の長助。噺の中で和尚さんが説明する意味は、おおよそ次のとおりです。

言葉意味(噺の中での説明)
寿限無寿命が限り無い
五劫のすりきれ天女が岩を衣でなで、すり切れるまでの、果てしなく長い時間
海砂利水魚海の砂利や水の魚のように、数え切れない
水行末・雲来末・風来末水や雲や風のように、行く末に果てがない
食う寝るところに住むところ衣食住に困らない
やぶらこうじのぶらこうじやぶこうじ(縁起のよい木)のように丈夫に育つ
パイポ … ポンポコナ唐土のパイポという国の王様とお妃、お姫様の名。みな長生きした
長久命の長助長く久しく命を保つ

名場面のセリフ 当サイトの書き下ろし

和尚さんに相談

  • 和尚縁起のいい名前なら、寿限無というのがある。寿命が限り無し、という意味じゃ。
  • 父親ありがてえ。ほかにもありますかい。
  • 和尚五劫のすりきれ、というのもあるな。
  • 父親それもいただきます。それから?

言いつけに来た子

  • 近所の子おばさん、寿限無寿限無五劫のすりきれ……長久命の長助が、あたいの頭をぶったぁ。
  • 母親まあ、うちの寿限無寿限無五劫のすりきれ……長久命の長助がかい。
  • (名前のところは毎回、全部を一息で言い立てる)

サゲ

  • 近所の子……あんまり名前が長えから、こぶが引っ込んじまった。

特定の落語家の口演を書き起こしたものではありません。名前の言い立てとサゲは古典のまま、そのほかのセリフは当サイトで書き下ろしています。

主な演者

特定の名人の看板演目というより、入門したての前座が最初に教わる稽古噺の代表です。寄席の開口一番でよくかかります。

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