演目一覧 / 『駄染高尾』『かめのぞき』
「紺屋高尾」の一場面のイラスト

紺屋高尾

こうやたかお

花魁道中で見た高尾太夫に一目ぼれした、神田の染物職人・久蔵。会えるはずもない相手のために三年働いて金をため、ついに一晩の客になります。笑いより、じんわり泣かせる人情噺です。

読み
こうやたかお。「こんやたかお」とも読みます
別題
『駄染高尾』『かめのぞき』
分類
人情噺・廓噺
系統
江戸
舞台
神田紺屋町の染物屋、吉原
類話
『幾代餅』(筋はほぼ同じ)
ゆかり
浪曲・講談でもおなじみの演目
カテゴリ人情噺廓噺
登場人物染物職人の久蔵高尾太夫医者の竹内蘭石親方
舞台神田紺屋町吉原
見どころ一途な恋翌朝の打ち明け

あらすじ

神田紺屋町の染物屋で働く久蔵は、遊びも知らない真面目な職人。ある日、吉原の花魁道中で三浦屋の高尾太夫を見かけ、寝込むほどの恋わずらいになります。

相手は大名でも簡単には会えない最高位の花魁。それでも、遊び慣れた医者の竹内蘭石が「三年、脇目もふらずに働いて金をためれば会わせてやる」と請け合い、久蔵は三年間、一心に働きます。九両たまったところで、親方が一両足して十両にしてくれました。

その金を手に、竹内蘭石の手引きで、職人ではなくお大尽のふりをして三浦屋へ。念願かなって高尾と対面します。

別れ際、「今度はいつ来てくださいますか」と聞かれた久蔵は、嘘をつき通せず、自分は紺屋の職人で、会うために三年かけて金をためたのだと打ち明けます。その真心に打たれた高尾は……。

サゲ 結末を含みます

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「かめのぞき」

高尾は年季明けに久蔵の女房になり、二人の染物屋は評判の店になります。高尾が藍瓶にまたがって染める姿をひと目見ようと、客が瓶をのぞきに来たことから、薄い藍色を「瓶覗き(かめのぞき)」と呼ぶようになった、という色の名のいわれでしめます。夫婦になるところで終える演者もいます。

『紺屋高尾』と『幾代餅』

筋がほぼ同じ噺に『幾代餅』があります。職人と花魁の組み合わせ、夫婦で始める商売が違います。

紺屋高尾幾代餅
主人公紺屋(染物屋)の職人・久蔵搗米屋の奉公人・清蔵
花魁三浦屋の高尾太夫姿海老屋の幾代太夫
夫婦の商売染物屋餅屋を開き「幾代餅」が名物に

名場面のセリフ 当サイトの書き下ろし

恋わずらい

  • 久蔵親方……あっしは、錦絵の中の人に惚れちまったんです。
  • 竹内蘭石だったら三年、脇目もふらずに働きなさい。金がたまったら、わしが会わせてあげよう。

別れ際の打ち明け

  • 高尾主(ぬし)、今度はいつ来てくんなます。
  • (久蔵は手をついて深く頭を下げる。藍に染まった指先が、高尾の目に入る)
  • 久蔵……あっしは紺屋の職人です。今度来られるのは、また三年先になります。

約束

  • 高尾来年、年季が明けます。そのときは、女房にしてくんなまし。

特定の落語家の口演を書き起こしたものではありません。筋とサゲは古典のまま、廓ことばのセリフは当サイトで書き下ろしています。

主な演者

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