演目一覧 / 滑稽噺・前座噺
「道具屋」の一場面のイラスト

道具屋

どうぐや

二十歳になっても遊んでばかりの与太郎に、おじさんが副業の古道具屋をやらせてみます。並べる品は使いものにならないものばかり。客が来るたびに、与太郎の返事はずれていき……。

分類
滑稽噺・前座噺
系統
江戸・上方
原話
宝永・安永年間の笑話本の小咄など
構成
小咄をつないだオムニバス形式。どこで切ってもよい
季節
とくに決まりはない
カテゴリ滑稽噺前座噺
登場人物与太郎おじさん(大家)大工の棟梁車屋田舎の紳士隠居
舞台蔵前の露店
見どころずれた受け答えがらくたの品ぞろえ

あらすじ

神田の大家のおじさんは、遊んでばかりの甥の与太郎を案じ、自分が副業でやっている道具屋をまかせることにしました。元値に少し上乗せして売れば、その分はこづかいにしていいという約束です。

ところが渡された品は、火事場で拾った鋸、すぐ破れる股引、脚の取れた道具、首の抜けそうな雛人形など、がらくたばかり。与太郎は蔵前の露店に並べ、隣の道具屋に商売の心得を教わります。

大工には鋸の出どころを白状して逃げられ、車屋には「小便はだめ」の一言で逃げられ、田舎の紳士とは値段の話がまるでかみ合いません。最後に来た隠居が笛を手に取り、穴に指を入れたら抜けなくなりました。しかたなく買うという隠居に、与太郎はとんでもない値をふっかけます。怒った隠居が「足元を見たな」と言うと……。

サゲ 結末を含みます

タップしてサゲを見る

「いいえ、手元を見ました」

弱みにつけこむ意味の「足元を見る」を、指の抜けない「手元」に言いかえたサゲです。どこで切ってもよい噺なので、車屋や鉄砲の場面で終える演者もいます。

客と品物

古い小咄をつないだ噺で、客ごとに一話完結の笑いがあります。江戸での代表的な流れは次のとおりです。

客品物笑いどころ
大工の棟梁鋸火事場で拾ったことを白状し、買わずに去られる
車屋股引「タコを見せろ」を蛸と勘違い。「小便はだめ」の一言が誤解を呼ぶ
田舎の紳士刀・鉄砲など抜けない刀は木刀。鉄砲の値段を聞かれ、言葉を別の意味に取る
隠居笛指が抜けなくなった客に高値をふっかける

名場面のセリフ 当サイトの書き下ろし

おじさんの品ぞろえ

  • おじさんこの鋸はな、火事場で拾ってきて目立てをし直したんだ。
  • 与太郎へえ、焼け出されの鋸かい。苦労してるねえ。
  • おじさんそっちの股引は、よろけるとびりっといくから気をつけな。
  • 与太郎それ、売りものかい。

抜けない刀

  • 紳士その刀、ちと中身を拝見したい。
  • (二人で鞘の両端をつかみ、うんうん引っぱり合う)
  • 紳士固いのう。錆びついておるのか。
  • 与太郎いえ、木でできてますんで。

笛と指

  • 隠居煤だらけじゃないか。どれ、掃除をして……おや、指が抜けん。
  • 与太郎抜けないんなら、お買い上げですね。

特定の落語家の口演を書き起こしたものではありません。筋とサゲは古典のまま、セリフは当サイトで書き下ろしています。

主な演者

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