
不動坊
あらすじ
サゲ(オチ) 結末を含みます
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上方の不動坊と江戸の不動坊
名場面のセリフ 当サイトの書き下ろし
縁談
大家 利吉っつぁん、 急な 話やけどな、 お前、 嫁はん もらう気はないか。 利吉 そら、 くれる 人が あったら、 いつでも もらいますけど。 大家 不動坊さんと この お滝さんや。 借金の あと始末を してくれる 人やったら、 という 話でな。 利吉 お、 お滝さん! 借金でも 何でも 持ってきとくな はれ。 今晩で よろしいか、 今晩で。 大家 誰も 今晩とは 言うてへんが な。 ……まあ、 ええわ。 今晩に しよか。
湯屋
利吉 (湯の中で 目を 細めて) お滝さんが 来たら、 まず 何て 言うたろ。 「よ う来てくれた」 ……いや、 もう ちょっと 男らしゅう。 利吉 それにしても、 長屋の 独り者、 ろくなん おらんで。 徳さんなんか、 紙すき返し とるうちに、 自分の 顔まで くしゃくしゃや… …。 (湯気の 向こうで、 ざぶりと 立ち上がる 音) 徳さん …… 誰の 顔が、 くしゃくしゃやて。
屋根の上
徳さん ええか、 道斎先生。 下りたら、 ぐっと 恨めしそうな 声で 頼ん まっせ。 道斎 心得た。 こ ちとら釈場で 鍛えた 喉や。…… せやけど、 この 縄、 ほんまに 大丈夫か。 (引き窓から、 白い 着物の 道斎が そろそろと 下りていく) 道斎 恨めしい…… わしの 位牌の 前で、 ようも 祝言なんぞ……。 利吉 なんや、 不動坊さんかいな。 こっちは ちゃんと 仲人 立てて、 借金まで 払う たんやで。 恨まれる 覚えは ないわ。 道斎 …… それを 言われると、 こっちも 弱い。
主な演者
三代目 柳家小さん 1857–1930江戸 上方の この 噺を 東京へ 移したと されます。 弟子筋の 五代目小さんに よれば、 サゲを 「宙 にぶら下がって」 の形に 変えたのも 三代目です。 四代目 柳家小さん 1888–1947江戸 三代目の 弟子。 その また 弟子の 五代目小さんに よれば、 湯屋の 独り言の 場面は 入れずに 演じたと いいます。 九代目 桂文治 1892–1978江戸 持ち 噺の ひとつで、 録音も 残ります。 五代目 柳家小さん 1915–2002江戸 口演の 速記が 『柳家小さん集』 上巻 (1966)に 収められ、 その 解説で 師匠の 四代目や 三代目の 演じ方にも 触れています。 二代目 桂枝雀 1939–1999上方 持ち 噺の ひとつ。 桂吉朝 1954–2005上方 音源・ 映像が 残る 演者の ひとり。 春風亭一之輔 1978–江戸 音源が 残る 演者の ひとり。



