寄席に行こう / コラム
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寄席に行こう

はじめての寄席 行き方と楽しみ方

寄席は予約もいらず、ふらりと入って好きなだけ笑って帰れる場所です。とはいえ、初めてだと入り方や番組の見方が気になるもの。チケットの買い方から、知っておくともっと楽しくなる寄席の言葉まで、やさしくご案内します。

チケットは当日、窓口で

東京の定席では、通常の公演は予約がなく、当日に寄席の入り口の窓口で入場券を買って入ります。席は自由席なので、空いている好きな席に座れば大丈夫です。

たとえば鈴本演芸場は通常公演が当日売りの自由席で、支払いは現金のみと案内されています。浅草演芸ホールは当日券のみの販売で、窓口は通常11時から開きます。新宿末廣亭も予約はなく、入場するときに窓口で入場券を買う自由席です。

一方、大阪の天満天神繁昌亭や神戸の喜楽館の昼席は全席指定で、前売り券もあります。前売りが完売すると当日券が出ないので、関西の寄席に行くときは事前の購入がおすすめです。正月の興行や独演会などの特別興行も、前売りや指定席になることがあります。

木戸銭(入場料)の目安

寄席の入場料は、昔から「木戸銭(きどせん)」と呼ばれます。東京の定席の通常公演は、一般でおおむね2,800円から3,500円前後です(公演により異なります)。

多くの寄席に学生料金やシニア料金があり、浅草演芸ホールの夜割や新宿末廣亭の夜の部の割引のように、遅い時間から入ると安くなるしくみもあります。特別興行では料金が上がることが多いので、最新の料金は各寄席の公式サイトで確かめてください。

昼席と夜席、入れ替えの有無

定席の公演は、たいてい昼の部(昼席)と夜の部(夜席)に分かれています。それぞれ3時間から4時間ほどで、十数組の芸人さんが次々に高座に上がります。

昼と夜で客席を入れ替えるかどうかは、寄席によって違います。鈴本演芸場は昼夜入れ替え制です。浅草演芸ホールは原則として入れ替えがなく、入場してから終演まで楽しめます。池袋演芸場は上席と中席は特別興行を除いて入れ替えなし、下席は毎日入れ替えがあります。新宿末廣亭は、特別な興行のときに昼夜入れ替えになる場合があると案内しています。

入れ替えがない寄席でも、再入場はできないところがあります。浅草演芸ホールは再入場ができないので、食べ物や飲み物は入場前に用意しておきましょう。

途中から入っても、途中で帰っても大丈夫

寄席では、一人の持ち時間が15分ほどと短いので、途中から入っても話がわからなくなる心配はほとんどありません。鈴本演芸場も、途中入場・途中退場どちらもかまわないと案内しています。

ただし、入るときや帰るときは、高座がひと区切りついた芸人さんの交代のときにすると、ほかのお客さんにも演者にも親切です。途中で入ったときは、一席終わるまで客席の後ろで少し待ってから席を探しましょう。

番組(出演順)の見方

寄席の出演者と出演順の一覧を「番組」といいます。入り口で番組表(プログラム)をもらえる寄席も多く、各寄席の公式サイトでも事前に確認できます。

番組は、若手から始まり、だんだん格上の芸人さんへと進み、最後にその日の主役が登場する流れになっています。落語の合間には色物と呼ばれる芸がはさまり、場の空気を変えてくれます。

なお、芸人さんの都合で別の人が代わりに出る「代演」があり、番組表どおりにならないこともあります。お目当ての芸人さんがいるときは、当日の番組を公式サイトなどで確かめてから出かけると安心です。

  • 開口一番:最初に高座に上がる前座さんの一席
  • 仲入り:公演の中ほどにある休憩
  • 食いつき:仲入りのあと最初に上がる演者
  • 膝替わり:トリの直前に出る色物の芸
  • トリ(主任):最後に登場する、その日の主役

前座・二ツ目・真打

東京の落語家には、修業の段階に応じた身分があります。入門して見習いを経ると前座になり、高座の準備や太鼓、着替えの手伝いなど楽屋の仕事をこなしながら芸を磨きます。

前座を数年つとめると二ツ目に昇進し、羽織を着て高座に上がれるようになります。さらに十年ほどの修業を経て真打になると、弟子をとることができ、寄席でトリをつとめる資格を得ます。真打昇進のときには、仲間や師匠が並んで祝う「真打昇進披露興行」が開かれます。

上方(関西)の落語界には、東京のような前座・二ツ目・真打の制度はありません。

色物とトリ

寄席では、落語以外の芸をまとめて「色物(いろもの)」と呼びます。漫才、漫談、奇術、曲芸(太神楽)、紙切り、俗曲、ものまねなど、さまざまな芸があります。出演者の名前を書いた札で、落語家以外の名前を朱色で書いたことが名前の由来といわれています。

その日の最後に高座に上がる芸人さんを「トリ」または「主任」と呼びます。トリはその日の看板で、たっぷり時間をかけて大きな噺を聴かせてくれることも多い、寄席のいちばんの見せ場です。

上席・中席・下席と余一会

東京の定席は10日ごとに番組が替わります。1日から10日が上席(かみせき)、11日から20日が中席(なかせき)、21日から30日が下席(しもせき)です。同じ10日間でも、日替わりで出演者が変わる場合があります。

31日がある月の31日は「余一会(よいちかい)」と呼ばれ、独演会や特別企画など、ふだんとは違う公演が開かれます。新宿末廣亭では、12月を除く31日と12月29日を余一会としています。料金や時間も変わることが多いので、公式サイトで確認しましょう。

飲食は寄席によって違います

客席での飲食ができるかどうかは、寄席によって大きく違います。

鈴本演芸場は、お弁当やお菓子、ビールを楽しみながら聴ける寄席で、座席の背に小さなテーブルがついています。浅草演芸ホールも公演中の飲食ができますが、においや音の強いものは控えるよう案内しています。アルコール飲料の持ち込みはできず、館内の売店で買えます。

一方、天満天神繁昌亭は飴やお菓子も含めて場内での飲食を禁止しており、喜楽館も館内での食事を遠慮するよう案内しています。横浜にぎわい座の主催公演では、水とソフトドリンクのみ飲めます。それ以外の寄席は、行く前に公式サイトで確かめておくと安心です。

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